映画『White Elephant』6/6から一週間 無料公開します。
こんにちは。お久しぶりです。
せっかくホームページを作ったのに、全然更新しなくて、ごめんなさい。
いつもあたふたしていて、どうもうまくやれません・・・。
さて、本日。私たち映画を作ったものとしてはとても大きな決断をします。
今日から一週間限定で、映画『White Elephant〜英語字幕版〜』を無料公開することにしました。6月6日という日がWhite Elephantにとって記念の日だと思い出したからです。
(6月6日についてはまた書きます)
『White Elephant』が出来上がってから、もう2年ほど経ちました。出し惜しみしていたので、未だに新作の未公開作品です。というか、いっぱい映画祭にも出したけれどほとんど落ちたし、映画館にも「かけてもらえませんか?」とお願いしたけれど、「誰にどう見てもらったらいいのか全然わかりません」「個人的な領域を超えていないのでちょっと」と、断られ続けて行き場を失ってしまった、困った映画です。見てもらった人からの感想も散々で、「僕はこの映画を評価しません」「夕海さんはもう映画撮るのやめなよ!音楽だけにしな!」など、落ち込む一方ですが、時折目を輝かせてくださる方もいて、その一つは新人監督映画祭の審査員の皆さん。その一つは、福井映画祭の審査員の皆さん。他にも何人か「ここ数年の中で、一番好きな映画です。」と言ってくれた奇特な方がいらっしゃいました。 「White Elephantなんて名前つけるからよ!」と母に言われますが、 私は、一つの言葉の中に様々な意味を持つこの言葉をとても信頼しています。 世界は見る角度によって全く異なる姿をしているということを
常に忘れたくない。と思うからです。
(White Elephant には「明らかに失敗とわかる試み」と言う意味があります。
一方タイではWhite Elephant 白い象は神を司る存在とされ、珍重されています。) 東北に大きな地震が起きた翌年2012年の、6月6日。私は家族と別れ、東京から長野県松本市に越し、一年間と決めて暮らしながら自分の音楽を見つめ直しました。昔から日本では「六歳の六月六日に稽古を始めると上手になる」と言われている。と、本で読んで知ったから。六歳じゃないけれども、もうちょっとましな人間になりたい。と願ったので、せっかくなら縁起の良い日に旅立とうと選んだのが6月6日でした。
この映画は、一つの歌を翻訳するために2011年4月から制作を始めました。 『脈動変光星』という、生まれたばかりの赤ちゃんに歌った歌です。
全盲ろうのある友人が
「夕海さんの歌が聴きたいなあ。脈動変光星が聴きたい。」と言ってくれたので
彼に歌を届けたくて、翻訳を始めました。
それは『脈動変光星』を想って今この世界を旅する。それを記録して繋ぎ、唄を見つける。というちょっと変わった方法でした。
・・・・・・・・・
脈打つ星のように泣く、笑う、何故? おまえの前にあるのは 白い世界 その手が握りしめた力をもって さあ、描いて何が見える? 何が聴こえる? そのすべてを抱きとめよう 今はまだ小さなおまえだから この星の向こうすらおまえには遠くない おいで この時の為に私は歩き始めてた おいで この星の向こうすらおまえには遠くない
・・・・・・・・・・
ほんの一ヶ月くらいのつもりで始めた旅はなんと数年続き、本当の意味では恐らく永遠に終わらない。それが分かったので、切りがよく・・・というとおかしな話ですが、大好きな祖母が亡くなった時に撮影を終了し、編集を始めました。
この中には、たくさんの人々と風景が詰まっています。
私が「美しい」と思って駆けていき、
共同監督の神田光君も「美しい」と同意してくれたものだけを残しました。
監督を一人ではなく二人でやりたかったのは、「美しさ」の共通項を探したかったからです。
2012年6月6日から5年の歳月が経ち、いろんなことが随分と変わりました。
これからまた未来についてもう一度考え直して、歩き出さなくちゃ。
昨日朝起きてふとそう思い、今回の一週間限定無料公開を決めました。
現在は『White Elephant』の書籍化を準備をしています。
映画を副音声脚本の形で捉え直し(視覚障害の方が耳で聞いて分かる映画翻訳です。)
副音声朗読入りのDVDをおまけにつけて、来年の春までにはお届けしたいと考えています。
目下鋭意執筆中。クラウドファンドに挑戦するつもりです。
準備が整い次第、改めてお知らせします。
この映画は、真っ暗な闇の中に生きる友人への手紙です。
掴まえたかったのは、目で見ることも
耳で聴くことも出来ないものです。
『White Elephant』
1時間28分あります。
よかったら是非ご覧ください。
ご意見、ご感想、お待ちしております。